Pro Tools

「DAWソフト【Pro Tools】に適したパソコンを探している」

そうお考えの方に、この記事ではパソコンメーカーに勤めていた筆者が、DAWソフト「Pro Tools(プロツールス )」の動作環境のまとめ&快適に操作できるおすすめのパソコンをご紹介します。

当サイトは主にパソコンのことがあまり詳しくない人をターゲットにしています。

出来る限りやさしい表現で快適に使うにあたり必要なスペックとおすすめのパソコンをご紹介しますので、ご参考頂けますと幸いです。

Pro Toolsのグレード

Pro Toolsには以下の3つのグレードがあり、グレードによって動作環境が異なります。

  • Pro Tools | Ultimate(最高グレード)
  • Pro Tools
  • Pro Tools | First(エントリーグレード)※無償

基本的に利用できるトラック数や、入出力数によってグレードが分けられ、グレードが高くなればなるほど、利用できる諸々の数が多くなります。

First Pro Tools Ultimate
価格(月額) 無料 3,500円~ 9,450円~
同時ボイス/トラック(48 kHz/96 kHz/192 kHz時) 16/16/– 128/64/32 384/192/96
最大インプット数 4 32 192
MIDIトラック
16 1024
インストゥルメント・トラック 16 512
Auxトラック 16 128 512

その他の機能の違いは公式サイトをご参考ください。

【まとめ】Pro Toolsの動作環境

公式サイトが発表している主な動作環境をまとめます。

スペック Pro Tools | First Pro Tools Pro Tools | Ultimate
OS Windows 10・MacOS Sierra(10.12.6)、macOS High Sierra(10.13.6)、またはmacOS Mojave(10.14.4または10.14.5) Windows10Home、Pro、およびEnterprise 64ビットエディション・MacOS 10.14.6、10.15.7、11.2.3を搭載したインテル®Mac
CPU インテル®i5プロセッサー以上 ■Win:インテル®Corei9またはインテル®Xeonプロセッサー

■Mac: インテル®Corei5(特定のモデルのみ)またはインテル®Corei7プロセッサー

メモリー(RAW) 4GB RAM(8GB以上推奨) 16GB RAM(32GB以上を推奨)
ハードディスク 15GB以上

変更されている可能性もありますので、ご購入前に必ず公式サイトにてご確認をお願いいたします。

Pro Toolsのおすすめパソコンスペックは?

上記の動作環境はあくまで「最低限」のラインです。

快適に動かすには、もう少し性能に余裕があるパソコンを選んだ方が良いでしょう。

以下では、Pro Toolsを動かすうえで、特に大切なパソコンのパーツの役割とおすすめのスペックをご紹介します。

主要の3つパーツである「CPU」「メモリ」「ストレージ」と、あった方が更に良い「グラフィックスカード」についてご紹介します。

CPU

CPU

CPUはパソコンの頭脳と呼ばれる計算処理をつかさどるパーツのことです。

DTMの場合、CPUが高性能な方が、音の遅延(レイテンシー)を短くできたり、プラグインを同時に使える数が増えます

DTMにおいては最も重要なパーツと言えるでしょう。代表的なCPUの種類は以下の2つです。

  • Intel Coreシリーズ
  • AMD Ryzenシリーズ

Pro Toolsではグレードによって以下の通り最小スペックが異なります。

  • FirstおよびPro Tools:「インテル®i5プロセッサー以上」
  • Ultimate:Winの場合「インテル®Corei9またはインテル®Xeonプロセッサー」Macの場合「インテル®Corei5(特定のモデルのみ)またはインテル®Corei7プロセッサー」

以上の通り、AMDプロセッサーについてはサポート外のようです。

CPUは例えばIntel Coreシリーズの場合、Core i3・i5・i7・i9といった形でグレードが分かれ、数字が大きい方が高性能・高価格になります。

制作のボリュームと予算に応じてご検討ください。目安とはしては以下の通りです。

CPU 制作内容
Core i5 MIDIを多用せず、トラック数も多くないシンプルな楽曲作成
Core i7 MIDI・オーディオ数が多く、大量のプラグインを使用
Core i9 とにかく大量のトラック数・大量のプラグインを使用

プロユースのUltimateでない一般的な制作環境(FirstおよびPro Tools)であればCore i7だと安心して作業ができると思います。

メモリ

メモリ

メモリはパソコンの作業台のようなもの。

料理で例えるとまな板のようなイメージです。

まな板(メモリ)が大きければ大きいほど扱える食材(データ)が増え、効率的な処理ができます。

DTMの場合、ファイルサイズが大きい音源データをたくさん使うため、メモリの容量は多いほうが良いです。

Pro Toolsではグレードによって以下の通り最小スペックが異なります。

  • First:「4GB RAM(8GB以上推奨)」
  • Pro ToolsおよびUltimate:「16GB RAM(32GB以上を推奨)

メモリもDTMには重要なパーツです。

ストレージ

ストレージはデータやファイルの保管庫です。

音源保存したい音源の容量によって、おすすめは変わりますが、目安としては500GB以上は欲しいところです。

なお、WAVファイル(非圧縮のデジタル音源フォーマット)は5分くらいで50MBあるので、その場合、ストレージ1GBあたり20個くらい保存できることになります。

参考までに1TB(テラバイト)の場合、5分のWAVファイルは20,000個くらい保存できる計算です。

代表的なストレージの種類にはHDD(ハードディスク)とSSDがあります。

HDDの特徴

ハードディスク

HDDはハードディスクドライブの略です。安価で大容量のデータを保存できることがメリットです。一方、読み込み書き込みの速度が遅く、衝撃に弱いという点がデメリットです。

SSDの特徴

SSD

SSDはソリッドステートドライブの略です。立ち上がりが高速で衝撃に強いことがメリットです。一方、価格がHDDより高いことがデメリットです。

少し予算を出せるのであれば、SSD搭載モデルがおすすめです。

パソコンの電源を付けてからの立ち上がりのスピードがHDDより2倍くらい速く、すごく快適に感じます。

特に大量の音源データを扱う人は読み書きの速度が大切なので、DTMをするなら必ずSSDを搭載しているモデルが良いです。

「SSD搭載モデルを使ってしまったらもうHDDに戻れない!」

という声も良く聞きます。

デュアルストレージモデルが理想

デュアルストレージ

デュアルストレージとは、二つのストレージを搭載していることです。

SSD+HDDを搭載しているパソコンはDTMに理想の構成です。

編集中の音源は起動が速いSSDに保存し、編集が終わったら大容量のHDDに保存しなおせば、大量の音楽データの管理がしやすいです。

グラフィックカード

グラフィックスカード

グラフィックカードは主に映像の処理をつかさどるパーツです。

ProToolsでは特にグラフィックカードは必須ではありません。

しかし、プラグインやプレビュー時の映像処理がグラフィックカードを搭載することによってより滑らかになることもあります。

グラフィックカードは特に動画編集やゲームなどに力を発揮するパーツなので、「バンドのPVを撮影して編集したい!」など、いざというときに役に立つパーツです。

予算に余裕があればグラフィックカード搭載モデルを選ぶことをおすすめします。

ある程度余裕をもってGTX1660以上がおすすめです。

【厳選】Pro Toolsにおすすめのデスクトップパソコン 4選

推奨スペックの中でネックなのが推奨されている「メモリ32GB」だと思います。

家電量販店で販売されている一般的なモデルではなかなか見つけづらいため、以下ではパーツの容量などを簡単にカスタマイズできるBTOパソコンメーカーの商品を中心にご紹介します。

1. Magnate IM(ドスパラ)

スペック
  • CPU:Core i5
  • グラフィックカード:なし
  • メモリ:86GB
  • ストレージ:500GB(SSD)

    低予算で選ぶならコレ

    BTOパソコンメーカー「ドスパラ」の売れ筋デスクトップパソコン。推奨の最低動作環境において最もおすすめなのがこのモデルです。最新世代のCPU&高速SSDなど魅力的な構成内容で8万円台から買える低価格さが特長。シンプルな音楽制作をしたい人にぴったりです。

    このパソコンを見てみる

    2. raytrek 4CXV

    スペック
    • CPU:Core i7
    • グラフィックカード:GeForce RTX 3060
    • メモリ:16GB
    • ストレージ:1TB(SSD)

      コスパで選ぶならコレ

      ドスパラのクリエイターPCブランド「レイトレック」の売れ筋デスクトップパソコン。最新世代の高性能CPUを搭載し、処理能力が優れています。グラフィックカードも搭載し、簡単な動画編集もこなせる隙のない構成で、約20万円で買えるのはコストパフォーマンスが優れていると言えます。

      このパソコンを見てみる

      3. DAIV-Z7(マウスコンピューター)

      DAIV X7

      スペック
      • CPU:Core i7
      • グラフィックカード:GeForce RTX 3060
      • メモリ:32GB
      • ストレージ:512GB(SSD)+2TB(HDD)

        デザイン・性能で選ぶならコレ

        マウスコンピューターのクリエイター向けPCブランド「DAIV」。高性能グラフィックカードを搭載し、ストレージがSSD+HDDのデュアルストレージなど隙が無い構成。デザイン性が高い筐体は持っているだけで所有欲を満たしてくれます。価格はやや高めですが、こだわりの制作環境を実現したい人におすすめ。

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        4. DAIV X5(マウスコンピューター)

        DAIV X7

        スペック
        • CPU:Core i9
        • グラフィックカード:GeForce GTX 1650
        • メモリ:32GB
        • ストレージ:256GB(SSD)※HDDの追加カスタマイズ推奨

          Ultimateならコレ

          Core i9、メモリ32GBが搭載された最上位グレードであるUltimateでも対応可能な構成。ただし、ストレージの容量が少なめなので、HDDをプラスするなのでカスタマイズがおすすめです。

          このパソコンを見てみる

          DTM(音楽編集)向けのデスクトップパソコンが売っているおすすめメーカー

          パソコンを買うならBTOパソコンメーカーがおすすめです。

          BTOパソコンの大きなメリットは以下の2点。

          • 余計なソフトが入っていないから格安
          • カスタマイズができる

          コストパフォーマンスにこだわるならぜひBTOパソコンメーカーをご検討ください。

          「BTOって何?」

          という方は『やさしく解説!初心者におすすめのBTOパソコンメーカー』をご参考ください。

          1. レイトレック(ドスパラ)

          レイトレック(ドスパラ)

          ドスパラのクリエイター向けPCブランド「レイトレック」。10万円以下の低価格モデルからラインナップされていて、予算が少ない人におすすめです。ケースはベーシックなデザインです。

          ドスパラ(公式)を見る

          2. DAIV(マウスコンピューター)

          DAIV

          マウスコンピューターのクリエイター向けPCブランド「DAIV」。マウスコンピューターは他のPCメーカーに比べてクリエイター向けのPCに最も力を入れています。ケースのデザインが美しく、選べるラインナップも豊富です。おすすめNo1ブランドです。

          DAIV(公式)を見る

          最後に(モニター環境も大事)

          長時間作業はモニターが見やすいことが大切です。

          ノートパソコンのモニターでは作業領域としてどうしても限界があるので、しっかり集中して作業するには専用の液晶モニターを利用したほうが良いでしょう。

          そうした制作環境を整えるにあたって、デスクトップパソコンの方がコストパフォーマンスは優れています。

          いかがでしたでしょうか?

          Pro Toolsの動作環境に最適なパソコンの特徴やおすすめ商品をご紹介させていただきました。

          あなたにぴったりなパソコンが見つかったのならうれしいです。

          最後までお読みいただき誠にありがとうございました。